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「粉末茶と粉茶ってどう違うの?」

「粉茶って溶けるんじゃないの?」

こういう質問をよく受けますが、実は・・まったく別物になります。

 

まずは写真と製法を比べてみましょう。

 

 

粉末茶(インスタントティー)

粉茶

お茶の葉

製造方法

抽出→濃縮→乾燥

蒸熱→粗揉→揉捻→中揉→精揉→乾燥

 

まず、お茶の葉の細かさが違うのがわかるかと思います。

製造方法も全く違いますよね。

「粉茶」は、煎茶と同じ製造工程で、お茶の葉を「葉」と「茎」の部分を切断するときに出る「粉」を集めたものになります。これを「出物(でもの)」ともいいます。そのため、お湯に溶けません。お茶を淹れるときは、網目の細かい深むし用の急須を使用するか、茶こしにお茶の葉を入れ、湯飲みの上にセットし、お湯を注いでお召し上がりください。

一方、私たちが一般に「粉末茶」といっていますが、「インスタントティー」「粉末茶」というのも、厳密にいうと別物になります。なんだかややこしいですよね。

 

「インスタントティー」は、茶葉を抽出した液体にデキストリン等を添加し、乾燥させて作ります。このためお湯に溶けます。

乾燥方法には、「真空乾燥法」、「凍結乾燥法(フリーズドライ製法)」、「噴霧乾燥法(スプレードライ製法)」があります。フリーズドライやスプレードライなら聞いたことがある方も多いのではないでしょうか? フリーズドライは、品質はよいですが、手間がかかるため量産できずコストが高くなります。スプレードライは、熱により香りが抜けやすいですが、大量生産に向いています。

 

「粉末茶」は、煎茶を粉末にしたものをいいます。抹茶とは区別します。製造方法は、煎茶と同様で、粉砕機(ボールミルなど)で粉砕します。主には、ティーバッグに使われることが多く、もちろんそのまま飲むこともありますが、料理やお菓子などの二次加工品の原料にもなります。この用途によって、粒度や色、味など求められるものが違ってくるので、それにあった粉砕方法を用います。そのため、お湯に溶けるもの(完全に溶けるわけではありません)と、溶けないものとあります。

お寿司屋さんでは、厚めの大きな湯のみと、そこに注がれた熱~いお茶がつきものですよね。ここで主に出されているのが「粉茶」になります。回転寿司では「粉末茶」(インスタントティーやティーパック)も主流になりつつありますね。

これにもちゃんとした理由があります。お茶に含まれるカテキン類(渋み)には、抗菌・消臭効果があり、熱湯でさっと溶け出します。ネタとネタの間に、熱湯で出した濃いお茶を飲むことで、口の中をすっきりとさせ、次のネタを美味しく召し上がっていただきたいという心づかいですね。