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番茶とほうじ茶の比較

「番茶とほうじ茶ってどう違うの?」

「ほうじ番茶とほうじ茶って同じじゃないの?」

よくこういった質問を聞かれます。厳密にいうと似ているようで違います。

まずは写真を比べてみましょう。

 

 

番茶

ほうじ茶

お茶の葉

お茶の色

番茶は緑色ですが、ほうじ茶は茶色ですよね。

これを見て、「家にあるのと違う!」「うちの番茶は茶色い」と思われる方もいるかと思います。

実はそれも正解です。


 

このように成長して硬くなった葉を、「番茶」といいます。「番茶」は、地方によって製法が異なるため、煎茶のように作った緑色の葉や、ほうじ茶のように焙じて作った茶色の葉があります。

 

 

では、番茶とはなんでしょう? 番茶の由来には諸説があります。

①「番傘」や「御番菜(おばんざい=京都弁でお惣菜のこと)」という言葉のように「番」という文字には「ふだん使い」という意味もあるので、番茶と呼ぶ説

②一番茶や二番茶の間に摘んだものを表すという説

③遅く摘む茶という意味の「晩茶」から転じた説

こうしたものが、製茶技術の発展にともない、下級煎茶のことをさすようになりました。

地域に伝わる、いろいろな番茶

「番茶」は、地方によってさまざまで、代表的な番茶には、京都の「京番茶」、岡山の「美作番茶(みまさかばんちゃ)」、徳島の「阿波晩茶」などがあります。

 

「京番茶」

大きな葉をそのまま蒸して揉まずに乾燥させ、炒って作る、焙じタイプの番茶です。炒る時に発生する煙から来る燻し香(スモーキーフレーバー)が特長です。

「美作番茶」

枝ごと刈り取った茶葉を蒸すように煮て、むしろに広げて、時々煮汁をかけながら天日干しして乾燥させます。

「阿波晩茶」

枝ごと刈り取った茶葉を釜でゆででから、揉んで桶に漬け込み、乳酸菌発酵させ天日干しして乾燥させます。他の番茶と製法が違うため、「晩茶」「ばん茶」と表記されます。

強火で焙じたほうじ茶

一方ほうじ茶は、煎茶茎茶番茶などを強火で焙じて製造したものをいいます。番茶との違いは焙じているかいないかです。高温で焙煎するので、上級煎茶に比べて、アミノ酸(旨み)、カテキン(渋み)だけでなく、カフェイン(苦味)、ビタミンCも少ないお茶になります。香ばしくさっぱりしているので、脂っこい食事の後や寝る前にもおすすめです。日本茶として高級茶の位置づけではありませんが、料亭などでも食事中に出されることが多いお茶です。

 

アミノ酸類(%)

カテキン類(%)

カフェイン(%)

ビタミンC(%)

上級煎茶

2.94

13.44

2.64

410

番茶

1.06

11.73

1.55

230

ほうじ茶

0.20

8.79

1.76

30

市販緑茶の茶種別主要成分含有量

 

 

 

 

「京番茶」と「ほうじ茶」の違いもよく聞かれますが、次のような違いがあります。

  ほうじ茶 京番茶
使用茶葉 煎茶 茎茶 番茶 番茶
製法 蒸す→揉む→乾燥→焙煎 蒸す→乾燥→焙煎
特長 茶葉を揉むことでお茶の成分が出るので、やや渋みがありキリッとしています。 「茎ほうじ茶」、「棒茶」ともいいます。煎茶と同様に揉んでいますが、茎は煎茶に比べて渋味が少なくすっきりとしています。 「ほうじ番茶」ともいいます。カフェインが少なくさっぱりしているのでおやすみ前にもおすすめです。 京都地方を中心に伝わるほうじタイプの番茶。まろやかでコクのある味わいで、独特の燻し香(スモーキーフレーバー)があります。

 

機会があれば、ぜひいろいろな番茶やほうじ茶を試してみてくださいね。

 

参照文献
日本茶業中央会「緑茶の表示基準」2009年9月
NPO法人日本茶インストラクターテキスト 2010年発行
雑誌「自遊人」2011年1月発行
雑誌「Discover Japan 茶」2009.2月発行
作山若子著/日本ティーコンシェルジュ協会監修「喫茶手帳」2009年9月発行