ホーム > お茶コラム > お茶の歴史 > 静岡茶のはじまり
静岡茶のはじまり
静岡茶は、駿河国栃沢(静岡県郊外)の聖一国師(1201~1280年)が、中国からお茶の種を持ち帰り、足久保にまいたのが始まりとされます。
江戸時代には、江戸城へ足久保茶を献上するなど「将軍御用達のお茶」としても知られるようになりました。元禄7年(1694年)5月、松尾芭蕉が江戸から東海道を通って島田宿に行った折に、「駿河路や花橘も茶の匂ひ」と詠まれていることからも、その盛んぶりがうかがえます。
明治初期には、 徳川藩士や川越人足等による大規模な牧之原開拓が行われ、日本一の大茶産地となっていきました。明治末期には、杉山彦三郎がお茶の新品種「やぶきた」を発見し、これが国内栽培面積の約8割を占めています。
静岡のお茶
静岡県は日本の中央に位置し、東西に長く160kmほどあります。そのため、茶産地ごとにブランド茶として確立されているのが特長です。
特に高級煎茶として「川根茶」や「本山茶」、深蒸し茶として「掛川茶」がよく知られています。
それ以外にも、下記のような銘柄があります。
天竜茶、沼津茶、牧ノ原茶、春野茶、富士茶、裾野茶、朝比奈茶・朝比奈玉露、安倍茶、清水のお茶、朝比奈、岡部茶・玉露岡部茶、藤枝茶、志太茶、榛原茶、島田茶、金谷茶、さがら茶、御前崎茶、菊川茶、小笠茶、袋井茶、磐田茶、遠州森の茶、浜松茶、足久保茶、両河内(りょうごうち)茶、庵原(いはら)茶、梅ヶ島茶、榛原(はいばら)茶、みくりや茶、渋川茶、井川茶、新山茶、水窪(みさくぼ)茶
・天竜、森、春野地域
静岡県西部、太田川上流域、天竜川上流域を中心に栽培されており、古くから高級茶の産地として知られています。山間地のため寒暖差が大きく、爽やかな香り、すっきりとした味わいが特徴です。
・川根
静岡県中部の大井川上流域の山間地斜面に広がる地域で栽培されており、爽やかさと渋みも感じられるお茶です。
・磐田、袋井、菊川、掛川、牧之原
静岡県の中でも南に位置し、「深蒸し茶」が多く作られています。濃厚でまろやかな味わいが特長です。
※「深蒸し茶」については、お茶コラム「煎茶と深蒸し茶ってどう違うの?」をご参照ください。
・藤枝、島田、岡部
瀬戸川や葉梨川、朝比奈川などの清流に囲まれた山間地で、寒暖差が大きく、爽やかな香りがあります。朝比奈川上流地域は玉露の産地として知られています。
・本山
静岡県中部を流れる安倍川上流地域で栽培されています。葉肉が柔らかく、爽やかな香り、上品な口当たりが楽しめます。
・清水、庵原
日本平や興津川流域を中心とする地域で栽培されており、山間地ならではの爽やかな香りが特長です。
・富士、沼津
富士山西南の裾野地区、愛鷹山山麓あたりで栽培されており、渋みと甘みのバランスがよいお茶です。