ホーム お茶コラム > 検証② お肉を浸して、より美味しくなるのは?

日本茶にお肉を浸すと、一番美味しいのは?

日本茶にお肉を浸すと、脂身が取れさっぱりとした味になります。煮出した緑茶で豚肉をしゃぶしゃぶする「お茶しゃぶ」という料理もあります。

 

検証①に続いて、日本茶でも実験してみました。日本茶といっても種類もあるので、代表的な4種類でどう風味が変わるのかを試してみました。

 

①煎茶

②深蒸し茶

③玉露

④ほうじ茶

*写真をクリックすると大きくなります。

 

 

 

 

それぞれ抽出方法を変えましたので、そこから100mlを冷蔵庫で冷やします。

 

①煎茶

6g、80℃、180ml、1分

②深蒸し茶

6g、80℃、180ml、1分

③玉露

15g、冷水、200ml、1時間

④ほうじ茶

3g、熱湯、130ml、30秒

 

(成分について)

カテキン(苦味・渋味)は、太陽の光を浴びることで増えるので、煎茶が一番多いです。

カフェインアミノ酸は若い芽に多く、生育により減少しますが、被覆によってその速度が抑えられます。そのため玉露や抹茶に多いです。

繊維は、硬くなった下級茶葉に多く含まれます。

ビタミンCは、被覆によって抑制されるので、煎茶に多く、玉露や抹茶は少なくなります。

 

(温度による、成分溶出の違い)

カテキン(苦味・渋味)とカフェイン(苦味)は、熱湯で溶け出しやすい性質があります。なので、温度を調節することで、この苦味・渋味も調節することができます。

なので、旨みを引き出したいときは低めの温度で、香り高くさっぱりと飲みたい時は高めの温度で淹れてみましょう。

その日の気分で淹れ方を変えるだけで、同じお茶をいろいろな風味で楽しむことができます。

 

以上のことから、煎茶はさっぱり、深蒸し茶は葉が細かく浸透しやすいので渋くなる、玉露は旨味アップ、ほうじ茶は香りよくさっぱりするだろうな・・という予想はしました。

お肉を1時間浸します。

①煎茶

②深蒸し茶

③玉露

④ほうじ茶

*写真をクリックすると大きくなります。

検証結果

フライパンで焼き、塩胡椒で味付けしました。

*写真をクリックすると大きくなります。

 

以下、個人的な感想です。

どれも普通に焼くよりは柔らかくしっとりと美味しくなりました。

 

①他のに比べるとあっさりしているので、やや物足りなさを感じました。

②深み(コク)が増して、一番インパクトがありました。

③深蒸し茶とは違う旨味があり、優しい味わい。すっと爽やかな青みが抜けていきます。

④口に含んだ時に抜ける香りが良い。香ばしさがありさっぱりとしています。

 

 

正直、甲乙つけがたく、どれも違う風味でそれぞれの良さがありました。あえて好みを選ぶとしたら・・④ですが②も捨てがたいですね。

ぜひこちらもお試しいただければと思います。